

# REL12-BP02 インシデント後の分析を実行する
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 顧客に影響を与えるイベントを確認し、寄与する要因と予防措置を特定します。この情報を使用して、再発を制限または回避するための緩和策を開発します。迅速で効果的な対応のための手順を開発します。対象者に合わせて調整された、寄与因子と是正措置を必要に応じて伝えます。必要に応じて根本原因を他の人に伝える方法を確立します。

 既存のテストで問題が見つからなかった理由を評価します。テストがまだ存在しない場合は、このケースのテストを追加します。

 **期待される成果:** チームが合意済みの一貫したアプローチで、インシデント後の分析を取り扱います。そのメカニズムの 1 つが[エラーの修正 (COE) プロセス](https://aws.amazon.com/blogs/mt/why-you-should-develop-a-correction-of-error-coe/)です。COE プロセスは、チームがインシデントの根本原因を特定、理解、対処するのに役立つと同時に、同じインシデントの再発を防止するメカニズムとガードレールの構築にも有益です。

 **一般的なアンチパターン:** 
+  寄与因子を見つけるが、他の潜在的な問題やリスクの軽減策についてさらに詳しく調べない。
+  人的エラーの原因を特定するだけで、人的ミスを防止し得るトレーニングやオートメーションを実施しない。
+  原因究明よりも責任を追及するばかりで恐怖心を煽り、オープンなコミュニケーションが妨げられる。
+  インサイトを共有できない。インシデント分析の結果を少人数のグループで抱え込み、他の人が教訓を活かせなくなります。
+  組織の知識をキャプチャするメカニズムがない。学んだ教訓を最新のベストプラクティスという形で保存しないと貴重なインサイトが失われ、同様または類似の根本原因でインシデントが再発することになります。

 **このベストプラクティスを活用するメリット:** インシデント後の分析を実施し、結果を共有することで、他のワークロードが同じ寄与因子を実装した場合のリスクを軽減し、インシデントが発生する前に軽減策または自動復旧を実装できます。

 **このベストプラクティスを活用しない場合のリスクレベル:** 高 

## 実装のガイダンス
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 優れたインシデント後の分析は、システムの別の場所で使用されているアーキテクチャパターンの問題に対して、共通のソリューションを提案する機会になります。

 COE プロセスの基礎は、問題を文書化して対処することです。重要な根本原因を文書化し、その原因をレビューして確実に解決するための標準化した手法を定義しておくことを推奨します。インシデント後の分析プロセスには明確に担当者を割り当てます。インシデントの調査とフォローアップの監督を担当するチームまたは個人を指名してください。

 責任を追及するのではなく、学習と改善を重視する文化を醸成してください。個人の責任を問うのではなく、インシデントの再発防止が目標であることを強調します。

 インシデント後の分析を実施するための明確な手順を策定します。これらの手順では、実行すべき手順、収集する情報、分析中に対処すべき重要な問題をまとめておく必要があります。インシデントを徹底的に調査し、直接的な原因だけでなく、根本原因と寄与因子を特定します。[5 つの why 分析](https://en.wikipedia.org/wiki/Five_whys)などの手法を用いて、根本的な問題を掘り下げてください。

 インシデント分析から学んだ教訓のリポジトリを維持します。こうした組織の知識は、将来のインシデントや予防策の参考になります。インシデント後の分析から得られた結果とインサイトを共有し、誰でも参加できるインシデント後のレビューミーティングを開催して、学んだ教訓について話し合うことを検討してください。

### 実装手順
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+  インシデント後の分析を行う際は、非難の場にならないようにします。これにより、インシデントにかかわった人々は、提案された是正措置を冷静に検討し、誠実な自己評価とチーム間のコラボレーションに努めることができます。
+  重大な問題を文書化する標準化された方法を定義します。このようなドキュメントの構造の例は次のとおりです。
  +  何が起きたのか。
  +  顧客とビジネスにどのような影響がありましたか?
  +  根本原因は何でしたか?
  +  これをサポートするデータはありますか?
    +  例えば、メトリクスとグラフ 
  +  重要な柱、特にセキュリティとは何を意味するでしょうか?
    +  ワークロードを設計するときには、ビジネスの状況に応じて、柱の間でトレードオフを行います。これらのビジネス上の意思決定がエンジニアリングの優先度を左右する可能性があります。開発環境では信頼性を妥協することでコストを削減するという最適化を⾏う場合や、ミッションクリティカルなソリューションでは、信頼性を最適化するためにコストをかける場合などがあります。セキュリティは常に最優先事項です。顧客を保護する必要があるからです。
  +  どのような教訓を学びましたか?
  +  どのような是正措置を講じましたか?
    +  アクション項目 
    +  関連項目 
+  インシデント後の分析を実施するための明確に定義された標準運用手順を作成します。
+  標準化されたインシデント報告プロセスを用意します。初回のインシデントレポート、ログ、コミュニケーション、インシデントの発生中に取られたアクションなど、すべてのインシデントを包括的に文書化します。
+  インシデントが生じても必ずしもシステム停止を伴うわけではありません。ニアミスである場合や、システムがビジネス機能を果たしながら予想外の方法で動作している場合があります。
+  フィードバックと教訓に基づいて、インシデント後の分析プロセスを継続的に改善します。
+  重要な検出結果をナレッジ管理システムでキャプチャし、開発者ガイドやデプロイ前のチェックリストに追加すべきパターンを検討します。

## リソース
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 **関連ドキュメント:** 
+  [correction of error (COE) を開発すべき理由](https://aws.amazon.com/blogs/mt/why-you-should-develop-a-correction-of-error-coe/) 

 **関連動画:** 
+ [Amazon's approach to failing successfully](https://aws.amazon.com/builders-library/amazon-approach-to-failing-successfully/)
+ [AWS re:Invent 2021 - Amazon Builders’ Library: Operational Excellence at Amazon](https://www.youtube.com/watch?v=7MrD4VSLC_w)